チャーター、法務トップと新雇用契約を締結
何が起きたのか
チャーター・コミュニケーションズ (Charter Communications, Inc., $CHTR) は、同社のエグゼクティブ・バイス・プレジデント兼ジェネラル・カウンセル(法務最高責任者)兼コーポレート・セクレタリーを務めるジャマル・ホートン氏との間で、新たな雇用契約(Employment Agreement)を締結しました。ホートン氏は引き続き同じ役職で職務を遂行します。
雇用契約の主な内容
今回の雇用契約のポイントを整理してみましょう。
契約期間
契約の有効期間は約二年間とされており、それより前に雇用が終了した場合はその時点で契約も終了します。
報酬体系
ホートン氏の報酬は、年間基本給に加えて、基本給に対する一定割合の年間キャッシュボーナスの目標額が設定されています。さらに、契約期間中は毎年、ストックオプション(株式を一定価格で購入できる権利)とRSU(制限付き株式ユニット=一定期間後に株式として受け取れる報酬)を組み合わせた株式報酬が付与される予定です。
また、契約締結と同時に「トップアップ・アワード」と呼ばれる追加の株式報酬も付与されました。これはオプションとRSUの組み合わせで構成され、付与日から三年後に一括で権利が確定する「クリフ・ベスティング」方式が採用されています。権利確定にはホートン氏がその時点まで在籍していることが条件です。
退職時の条件(セバランス)
会社都合による解雇、ホートン氏側の「正当な理由」による退職、または会社が契約を更新しなかった場合には、以下のような退職給付が受けられます。
- 基本給と目標ボーナスの合計額に一定の倍率を掛けた金額の退職一時金
- 退職年度のボーナスの日割り計算分(実績ベース)
- 退職後一定期間のCOBRA(退職後も継続できる医療保険制度)の費用相当額
- エグゼクティブ向け再就職支援サービス
ただし、これらの給付を受けるためには、ホートン氏が会社に対する請求権を放棄する書面(リリース)に署名する必要があります。
競業避止・秘密保持の義務
ホートン氏は、機密情報の非開示、知的財産の譲渡、会社を中傷しない義務に加え、退職後一定期間の競業避止(同業他社で働かない義務)と、顧客・従業員の引き抜き禁止に同意しています。
専門用語をやさしく解説
ジェネラル・カウンセル(General Counsel):企業の法務部門のトップで、契約・訴訟・コンプライアンスなど法律に関わるすべてを統括する役職です。日本企業でいう「法務担当役員」に近い存在です。
クリフ・ベスティング(Cliff Vesting):株式報酬の権利確定方式の一つで、一定期間が経過した時点で一括して権利が確定する仕組みです。毎年少しずつ確定する「段階的ベスティング」と対比されます。
セバランス(Severance):会社都合の退職時などに支払われる退職給付のことです。日本の退職金とは異なり、契約で個別に条件が定められるのが米国企業の特徴です。
COBRA:米国の法律に基づく制度で、退職後も一定期間、在職中と同等の医療保険に自費で加入し続けられる仕組みです。
なぜこの届出が重要なのか
米国の上場企業では、経営幹部の雇用契約や報酬の変更はSECへの届出が義務付けられています。法務最高責任者は、企業の法的リスク管理やガバナンス(企業統治)の要となる存在です。チャーターがホートン氏と新たな契約を結んだことは、同社が法務体制の安定と継続性を重視していることを示すものといえます。
読者のみなさんへ
今回の届出は、チャーターの経営幹部の雇用条件に関する情報開示です。米国企業の8-K書類では、こうした役員の人事・報酬に関する情報がタイムリーに公開されるため、企業のガバナンス状況を把握するうえで参考になります。最新の情報や契約の全文については、チャーターの公式IRページやSEC EDGARで確認してみてくださいね。みなさんの情報収集のお役に立てれば嬉しいです!
出典: SEC EDGAR
※本情報は情報提供を目的としたものであり、投資を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします。